ARTHUR VEROCAI / ENCORE 〜「明治の森 箕面 音羽山荘」月一レコードセレクト(5月)

箕面にある、『”音羽山荘”さんで聴きたいレコード』企画。5月は?(これまでのセレクトはこちら

■ 明治の森箕面 音羽山荘
明治の森箕面国定公園の入り口すぐの場所、素晴らしい箕面の景観の中に佇む、風情溢れる老舗旅館。建物は大正時代に建てられた歴史ある邸宅を改築したもの。出張販売のイベントの時も、皆さん親切だっあなぁ〜。箕面大滝を訪れた方なら必ず目にしているはずです。

2021年5月のセレクト

■ アーティスト:Arthur Verocai
■ タイトル:Encore
■ レーベル:Far Out Recordings
■ リリース年:2020年(オリジナル:2007年)

コロナ渦の中、2度目の5月。本当は初夏の開放感を感じる心地よい季節ですが、今年は去年以上に、見えない重苦しさが気持ちを沈ませますよね。そんな時こそ音楽!ホッと一息なグッドタイムミュージックが欲しいところ。今回は、ブラジルのアレンジャー/プロデューサー、アルトゥール・ヴェロカイの2007年作「アンコール」を紹介。

ブラジルのアレンジャーは、デオダードが有名ですが、個人的には、アルトゥール・ヴェロカイの方が好きで、綿密に計算されつつもしなやかに洗練されたオーケストラアレンジは、本当にうっとりするほど華麗で美しく、1960年代からエリス・レジーナ、ガル・コスタ、ジョルジ・ベン、マルコス・ヴァーリ等、ブラジルの大物アーティストを手がけ、近年では、ネイ・パーム率いるオーストラリアのフューチャー・ソウル・バンド、ハイエイタス・カイヨーテの作品「Mood Valiant」からの先行シングル”Get Sun”にも参加し、今もなおスポットライトを浴びる存在です。

もちろん、本人のオリジナル作品も、素晴らしいのですが、特に「アンコール」は、彼の72年ファースト「ARTHUR VEROCAI」と並ぶ最高傑作。円熟の一歩手前といった感じの、今聴いても古さを感じさせない良いバランスで、胸高鳴るブラジリアン・フリー・ソウルな、”BIS”をはじめ、しっとりとしたボサノバや、サンバなど、ブラジル音楽とアメリカのソウルや、映画音楽の実験性を融合させた、ブラジル音楽のモダン・クラシックともいえる内容です。アジムスやイヴァン・リンスといった伝説的ミュージシャンたちが参加。「アンコール」で奏でられる心地のよいグルーヴや、うっとりするオーケストラアレンジの妙を聴いていると、アルトゥール・ヴェロカイの音楽的素養の豊かさを通じ、音楽を楽しむことの喜びを改めて思い出させてくれる素敵な作品なのです。

01. Tupã Tupi
02. Amor Na Contra Mão
03. Sucuri
04. Abertura
05. Bis
06. Dona Das Meninas
07. Filhos
08. Tudo De Bom
09. Eu Quero Paz
10. Caminho Da Roça
11. Preludio

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