Joan Shelley – The Spur(No Quarter)

良い意味で、安定のJoan Shelleyとでも言うか、そんな安心のクオリティーを今回も届けてくれた、当店でも大人気のケンタッキーのシンガーソングライターJOAN SHELLEYの3年ぶりとなるニューアルバム。フォークやカントリーの影響を受けた彼女の作品は、2015年作「Over And Even」以降、一貫して明晰な眼差しと感傷に満ちた普遍的な佇まいをまとっている。

7枚目のアルバムとなる本作「The Spur」も、もう素敵すぎて、歌に演奏に、優しが溢れてる。前作から本作リリースの間に生まれた娘の誕生や存在もきっとこの作品に影響を与えているんだろうなと思う。それだけではなく、2019年から2021年の間に、ロックダウンが起こったとき、彼女はツアーから離れ、意識的に根を下ろしていた。ヤギやニワトリの世話をしながら、長年のパートナーのNathan Salsburgと結婚をし、家庭内での希望と喜びが世界の騒動を相殺する対照的なものとなったことが、この『The Spur』にも反映されているといると思う。

2人のギタリスト、Nathan Salsburg、James Elkingtonの相変わらずのサポートとの他、BONNIE ‘PRINCE’ BILLYとのアルバムも素晴らしかったBILL CALLAHAN、そしてESPERSのMEG BAIRDもコラボレーターとして参加しています。基本、アレンジは通常アコースティックギターと1人か2人の声だけで、いくつかは軽いドラムとブラスをフィーチャーし、2曲はチェロが寄り添うサウンドで、James Elkingtonのプロダクションも素晴らしいけど、この作品のもつ豊かさは、彼女のソングライティングと歌唱に依るところが大きい。彼女の歌声とメロディーはいつだって優しくもありたくさんの感情が潜んでいる。

01. Forever Blues
02. The Spur
03. Home
04. Amberlit Morning
05. Like The Thunder
06. When The Light Is Dying
07. Breath For The Boy
08. Fawn
09. Why Not Live Here
10. Bolt
11. Between Rock & Sky
12. Completely

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