Nala Sinephro – Space 1.8 〜「明治の森 箕面 音羽山荘」月一レコードセレクト(2022年2月)

箕面にある、『”音羽山荘”さんで聴きたいレコード』企画。2022年2月は「Nala Sinephro / Space 1.8」を選んでみました。(これまでのセレクトはこちら

■ 明治の森箕面 音羽山荘
箕面大滝を訪れた方なら必ず目にしている明治の森箕面国定公園の入り口すぐ、箕面の景観の中に佇む、風情溢れる老舗旅館。【1日1組限定】自然豊かな森に佇む建物は大正時代に建てられた歴史ある邸宅を改築したもの。食事の美味しさはもちろん、丁寧な接客も含め、本当に贅沢な時間が流れています。

2022年2月のセレクト

■ アーティスト:Nala Sinephro
■ タイトル:Space 1.8
■ レーベル:Warp Records
■ リリース年:2022年

2月のレコードセレクトは、ロンドンを拠点に活動する、カリブ系ベルギー人の作曲家で、プロデューサー兼ミュー ジシャンのナラ・シネフロのデビュー・アルバム『Space 1.8』です!

彼女は、モジュラー・シンセサイザーの他、ペダル・ハープも演奏する人で、レコード店に勤めながらロンドンのジャズシーンで音楽活動をしつつ、イギリス・イーストロンドンの人気DJラジオ「NTS Radio」のレジデントDJとしても人気を集め、本作のデジタル/ストリーミングが配信されてから、主要音楽メディアがこぞって絶賛したことで、一気に2022年、旬な存在としてクローズアップされています。

この作品には、サックス奏者のヌバイア・ガルシアを始めとする新世代UKジャズ・シーンの面々がレコーディングに参加しているのですが、彼女の作品は、瞑想的な音、ジャズの感覚、フォークやフィールドレコーディングをサウンドに融合させています。曲によっては、アンビエント・ミュージックに近いものを感じるのですが、アンビエント・ミュージックを作ろうという意図はなかった…と海外のインタビューで語っています。しかも最近まで、アンビエント・ミュージックというのが何なのかさえ知らなかったんだとか。

周波数の違いが人間の身体に与える影響に魅力を感じたことから始まったという、レコードのタイトルにある「空間」となった、8つの曲のレコーディングは、2018年8月から数回のレコーディング・セッションを重ね、作られたものです。中には3時間にも及ぶジャムセッションからのトラックもあったり、食事や談笑、瞑想した後でのレコーディングもあったり、かなりユニークでオープンですよね。それらは、共同作業、即興の体験としてのアプローチであり、他のミュージシャンと交わす感情や会話から直感的に捉えたものを作曲作業に落とし込み、その空間でしか鳴らされない感性が凝縮され、その成果、ジャンルを超えた、音そのものが不思議な魅力を放ち、リスナーに豊かな想像力を呼び起こすものとして表れている。

「20年後でも楽しめて、リスナーが気持ちよくなれるものにしたかった」くしくもこの作品は、コロナウィルスの大流行による遅延を経て、コロナ渦真っ只中の世界にリリースされたのですが、彼女の音楽は、まさに今、鳴らされるべき必然性をもっているような気がする。彼女はこの作品を作ることで、深い癒やしにつながったと語っているのですが、この作品を聴いた人はきっと、自由への奉仕のために作られたようなサウンドに、きっと癒やされることでしょう。

A1. Space 1
A2. Space 2
A3. Space 3
A4. Space 4
A5. Space 5

B6. Space 6
B7. Space 7
B8. Space 8

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