quickly, quickly / The Long and Short of It 〜「明治の森 箕面 音羽山荘」月一レコードセレクト(12月)

箕面にある、『”音羽山荘”さんで聴きたいレコード』企画。12月は「quickly, quickly / The Long and Short of It」を選んでみました。(これまでのセレクトはこちら

■ 明治の森箕面 音羽山荘
明治の森箕面国定公園の入り口すぐの場所、素晴らしい箕面の景観の中に佇む、風情溢れる老舗旅館。建物は大正時代に建てられた歴史ある邸宅を改築したもの。出張販売のイベントの時も、皆さん親切だっあなぁ〜。箕面大滝を訪れた方なら必ず目にしているはずです。

2021年12月のセレクト

■ アーティスト:quickly, quickly
■ タイトル:The Long and Short of It
■ レーベル:Ghostly International
■ リリース年:2021年

2021年最後、12月の音楽です。晩秋〜初冬を彩る作品は、オレゴン州ポートランド出身、Graham Jonsonのソロプロジェクト、quickly, quickly「The Long and Short of It」はいかがでしょうか?年末だし季節的にも、ちょっとしんみりした音楽もいいかもしれませんが、今回はあえて、グッドメロディーとグッドヴァイブが織り込まれ、ほのかな高揚感を感じれる作品を選んでみたいなぁと(考えたらむちゃくちゃ贅沢かも?)思いました!

幼児期にピアノを弾き始め、小学5年生のときにJディラの音楽に出会い、そして16歳までにシングルを自主リリースするという早熟さと、夢中で様々なジャンルの音楽を貪り聴いてきた事が伝わってくるような、雑食性と独創的なセンスが、この作品に収録されている楽曲からビシビシと伝わってくる。その気になれば、世界中の様々な音楽を一気に聞くことのできる時代。quickly, quicklyは、そんな時代ならではの音楽家の一人かもしれない。

この作品を作ったのが20歳だからZ世代の神童みたいな紹介もあるけれど、確かに自分と比較しても相当…若い(笑)だけど、60、70年代のアーティストの大半は、この年代に名盤を沢山出していたわけだから、彼も将来有望な音楽家の一人になる可能性を秘めてるし、そうならないかもしれない。ただそんなことは関係なく、この作品自体は多くの人の心を捉える魅力を秘めているのは間違いない。

特にオープニングを飾る”Phases”では、アルバム唯一のゲスト・ヴォーカルとして、著名な詩人であり活動家でもあるSharrif Simmonsが、セッション中に即興で書いた宇宙的実存主義をテーマにしたサイケデリックな詩を披露し、ドラム・グルーヴとストリングス、そしてサックスによるバンドアンサンブルの展開が、もうたまらなくカッコいい〜!

ドラムからキーボード、ギター、エレクトロニクスまでほぼすべてが本人による演奏という、マルチぶりに驚かされるが、それ以上にジャズ、ヒップホップ、R&B、サイケ・ポップと、彼の嗜好が楽曲の中で一つのジャンルとして縛られていないところに彼の非凡さを感じるし、音楽からほとばしるヴァイヴが、とても開放的な心地よさを運んでくれる。受動的ではなく能動的な人になりたい!という人に、おすすめの作品です。

A1.Phases (ft. Sharrif Simmons)
A2.Come Visit Me
A3.Interlude
A4.Shee
A5.Leave It

B1.I Am Close to the River
B2.Feel
B3.A Conversation
B4.Everything is Different (To Me)
B5.Wy
B6.Otto’s Dance

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