Lucas Delgado「La punta de l’iceberg」(インパートメント)
2020年暮れに届いた、スペインはカタルーニャ出身で、バルセロナを拠点に活動するピアニスト/コンポーザー、ルカス・デルガドのデビュー・アルバム。ピアノと、ライヴでも活動を共にするフアン・パストルによる、コントラバスとのデュオを基本編成とし、ジャズを背景にしながらも、その調べは、クラシックからフラメンコまで様々な影響を作品から感じることができ、ジャンルに縛られない滋味深い演奏は、様々な風景の中を旅するような、心地よいひと時を約束してくれる。
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アルバムの全ては、ルカス・デルガドによるオリジナル曲で、すでにスタンダードな佇まいを持った楽曲の数々は彼の作曲の非凡を表してもいる。また、アルバムには、スペイン人シンガー、セルマ・ブルーナ、フラメンコギターのダリオ・バローゾ、そして、シルビア・ペレス・クルスが参加。
年の瀬に初めてこの作品を聴いた時、ルカス・デルガドによる柔らかなタッチのピアノに、もやっとしていた気持ちの重石が消えたような気分になった。コロナ禍の2020年を締めくくるというのではなく、まだまだこの状況は続くけど、もう少し心穏やかに…という、ちょっと肩をポンポンと叩くような、そんな親密な演奏にも感じた。
2021-01-11 by
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