David Cordero「Honne (本 音)」(DRONARIVM)

2018年に、dot tape dotとの来日ツアーも行っている、スペインの音楽家、David Cordero。奈良にも来てくれたので、少し物販などのお手伝いも兼ねて関わることがあったのですが、音楽だけでなく、とても素敵な人柄で、なんと言うか昔から知っているような親しみやすさがあったのを今もよく覚えている。

彼の作品は以前のレビューにも紹介しているので、ぜひ過去の作品もチェックしてみてください。

本作「Honne (本 音)」は、タイトルからもわかるとおる、日本でのツアー経験から影響を受けたもので、渋谷道玄坂にある本屋 Book Lab Tokyoでの東京公演となったイベント名「Hon’ne-本音」から引用したものではないかと思います。東京での公演で知り合った、Kenji Kihara、Shuta Yasukochi、そして、David Corderoと共演作をリリースする、Miguel Otero、Carles Guajardo(bRUNAでも作品をリリースしていた)の2人も本作に参加しています。

それにしても、優しく、瞑想的なサウンドが続く作品である。シンセ、テープループ、7弦ライアーハープやリヴァーヴなどのエフェクトを使った、映像的でもあり、夕方、部屋に差し込む光のようでもある、内に広がるシンフォニックなサウンドスケープ。気がつくとあっという間に最後の曲に辿り着いている。一つの音が引き伸ばされ漂う。そこにわずかな音階が浮かび上がるように表れ、脳裏に刻まれる。来日時に聴いたライヴでも、その生み出される音には、多くのアーティストが陥る、退屈なサウンドとは一線を画す、気概のあるサウンドだった。

印象的なアートワークは、Sr.Gómez & Srta. Swallowによるもの。

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