Eyolf Dale & André Roligheten「Departure」(Edition Records)

「Departure(出発)」と題された、深い表現の旅

ノルウェー人ピアニスト、Eyolf Daleと、前衛ジャズ系のレーベルから作品をリリースし、長年、Eyolf Daleの作品に参加している友人でもある、サックス奏者・作曲家の、André Rolighetenによるデュオ作品。

Eyolf Daleは、才能あふれるピアニストであり、作曲家である。2016年発表の前作『Wolf Valley』は、Spellemann Prize(ノルウェーのグラミー賞)にノミネートされ、また、彼の作曲/編曲の才能が存分に堪能できる、2018年作「Return To Mind」は、日本国内でもリリースされるなど、じわじわとその名が知られそうな雰囲気もちょっと感じるところ。

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同じくノルウェー人のAndré Rolighetenは、ソロ名義だけでなく、ポルトガルのフリー系レーベル、CLEAN FEEDや、同郷のØra Fonogramを中心に、Friends & Neighbors、Gard Nilssen’s Acoustic Unity、Jon Rune Strøm Quintet、Jonas Cambien Trio、MMO-Ensemble…など様々なプロジェクトに参加していて、フリー系というと、一見、難解さを感じさせる所もあるのですが、実に創造性溢れる即興を聴かせてくれる。

まるで仲の良い友人同士が対話するような親密な演奏

実は、André Rolighetenとは、Albatroshという名義で、2009年からアルバムを何枚かリリースしているのですが、連名での発表ということで、作品の内容も、より、グループとしてのサウンドとしての方向性を定めるものではなく、個々の個性により焦点を当て、フリーフォームなスタイルながらも、まるで仲の良い友人同士が対話するように、冷静で直接的で、親密な、それぞれが美しくも刺激的な演奏を繰り広げてゆきます。

流麗なピアノと、透き通る旋律のリード楽器のアンサンブルは、北欧ならではの牧歌的な雰囲気を垣間見せ、繊細な音、官能的な音が、現代音楽にも通じそうな、フリーな演奏の難解さを、より想像力あるサウンドに印象づけてくれる。マニアックになりそうでならないバランス感覚は、凄くセンスを感じます。

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