Greg Foat「Symphonie Pacifique」(STRUT)


マニア垂涎のレア盤をリイシューすることで知られる「ジャズマン」「アテネ・オブ・ザ・ノース」(ハンプシャー&フォートでのリリース)から、現行アーティストとして作品をリリースし注目を集めた、UKのジャズピアニスト、グレッグ・フォート。

ソロ名義としては3枚目となる『Symphonie Pacifigue』は、ストラットからと、またまた復刻レーベルで有名なレーベルから。英国ジャズ界屈指のテナー・サックス奏者のアート・スメンをはじめ、UKジャズ・シーンの人気ドラマー、モーゼス・ボイド、グレッグ・フォートグループでも共に活躍するベーシストのフィリップ・アシールらが参加。

グレッグ・フォート・グループでは、ディープなジャズ・アルバムをリリースしていますが、そんなイメージで1曲目を聴くと、いきなりもの悲しげなヴァイオリンの旋律が聴こえてきて、作品間違ったかな?となりますが、それもすぐに終わり、イントロから小気味良いドラム/コンガではじまるタイトル曲”Symphonie Pacifique”へと流れてゆきます。

グレッグ・フォートのこれまでの作品でも、クラシックやモダン・クラシカル、現代音楽などとつながった、ヨーロッパらしいジャズを披露していますが、『Symphonie Pacifique』でのエレガントで高度な演奏と、アンサンブルの美しさは、気持ちがふわりと浮かび上がるような気持ち良さ。また、アコーステックピアノだけではなく、バレアリックなムード漂わせたり、ジャーマンロック的な使い方のシンセなど、英国ジャズをベースに、様々なジャンルを横展開させたような、サウンドがストーリー的な流れで展開されている。

前半は、ジャズファンクや、間奏的に使われるクラシックのシンフォニーが交互に披露されていて、グルーヴィーな曲が中心なのですが、後半は一気に荘厳なたたずまいの、シンフォニーとリリカルなピアノによるメディテーティヴなものから、めちゃくちゃお洒落なジャズボサ〜スピリチュアルなナンバーと、かなり振れ幅がすごい!だけど、どの曲も同等の気持ち良さで聴き流しもOKだし、聴き応えもあるし、とても使い勝手の良い作品。

01. Prelude
02. Symphonie Pacifique
03. Undulation
04. Anticipation
05. Mu
06. Yonaguni
07. Island Life
08. Nikinakinu
09. Man vs Machine
10. Before the Storm
11. After the Storm
12. Meditation on a Pedal Steel
13. Lament for Lamont
14. Pointe Vénus
15. Mother’s Love
16. Epilogue – Three Tenors

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