Meritxell Neddermann「In The Backyard of The Castle」(Halley Records)


妹のJudit Neddermannとともにカタルーニャのクリスマスソングを歌った『Present』で、その歌唱の魅力を放っていた、バルセロナで活動する女性ピアニスト、シンガーソングライターのMeritxell Neddermann。彼女のソロデビュー作が、これまた素晴らしい。

1990年生まれで、幼い頃からピアノを始め、13歳でバルセロナ音楽院に入学。その後、Taller de Músicsでクラシックとジャズ、現代音楽を学ぶ。カタルーニャ音楽学校で作曲を学び始めるのと同じ年に、奨学金を得て、2010年にアメリカのボストン、バークリー音楽院に入学。ピアニストとして、ジョアン・ブラッキーン(ジャズ・メッセンジャーズのピアニスト)、ダグ・ジョンソン(エスペランサ・スポルディング、フィル・ウッズ)らに師事。ジャズ、ソウル、ゴスペル、ラテン、現代音楽に直接触れながら、ヴァレリー・シンプソン(アシュフォード&シンプソンのデュオ)、ジェトロ・ダ・シルバ(ホイットニー・ヒューストン)、ジョン・ブラックウェル(プリンス)と共演、その後ニューヨークで活動を続け、作曲家、編曲家としてのキャリアをスタートさせる。2017年に帰国後は、妹のJudit Neddermannとともにカタルーニャのクリスマスソングを歌った『Present』をリリース、という流れで、「In The Backyard of The Castle」は、彼女自身にとって、正に満を侍してのファーストソロ作品ということになるわけです。

とにかくバイオを見る限りは、相当な才女である事は間違い無いのですが、「In The Backyard of The Castle」では、ピアニストという側面ではなく、彼女のこれまで学んできた、ジャズ、ソウル、ゴスペル、ラテン、現代音楽の要素が、ポップスのフィールド内で花開いている。

近年よく耳にする、70年代のAORやシティ・ポップなムードを漂わせつつも、音楽的にはジャズやインディーロック、ポストクラシカルやヒップホップなど、彼女の嗜好を取り込んだサウンドの混在が、より一層彼女のセンスの良さを窺い知ることができます。とはいえ、やはり楽曲と、歌の魅力がやっぱりこの作品のベースとなっているのは間違いのないところ。何度も聴き返したくなる、歌とメロディーに魅了されっぱなしです。

ディスク1が、オリジナルで、ディスク2が、ピアノによる演奏を増やした、エクステンテッド・ヴァージョンとなっており、ディスク1未収録の、”Interludi”でのピアノソロ曲なんかは…ため息ものの美しさです。

DISC.1
01. Inside
02. I Fall
03. Ja No Vull
04. Ready
05. Story
06. Lannisters
07. Em Molesta
08. Jo Vull Estimar-te
09. Et Sento Amb Mi

DISC.2
01. Inside (Extended Version)
02. I Fall (Extended Version)
03. Ja No Vull (Extended Version)
04. Ready (Extended Version)
05. Interludi (Extended Version)
06. Story (Extended Version)
07. Lannisters (Extended Version)
08. Em molesta (Extended Version)
09. Jo Vull Estimar-te (Extended Version)
10. Et sento amb mi (Extended Version)

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