Jón Olafsson & Futuregrapher「Eitt」〜穏やかな波のようなピアノと静寂を意識させるサウンドスケープ
80年代から活動するアイスランドのバンド、Nýdönsk他、多くのアーティストの作品やライヴに参加しているキーボード奏者、Jón Ólafssonと、同じくアイスランドのブレイクコア、IDMなどエレクトロニックミュージックシーンで近年知られる存在になっているFuturegrapherことÁrni Grétar Jóhannessonによるコラボレーション作が、Futuregrapherが共同運営に関わっている、Möller Recordsよりリリースされました。
それぞれが関わってきたロック〜ポップ、エレクトロなジャンルと、この作品で聴かれるアンビエント〜モダンクラシカルの優雅な佇まいとのイメージのギャップに驚かされてしまいますが、時に偏見なく音楽に接する、ということも大切だと教えてくれるようでもあります。Futuregrapherは、日本のGallery Sixや、このサイトでも紹介した、Veroníqueといった、アーティストとも作品をリリースしているのですが、その時は単独名義でリリースしている作品よりも、アンビエント色強いものとなっていて、今回もその流れの中で、Jón Ólafssonのピアノを生かしながらも、デリケートな美しさを引き出している。
ジャケット写真のような、北欧の厳しい冬のわずかなひとときに見せる、波の少ない静寂な海を讃えるかのような、Jón Ólafssonの穏やかに奏でられるアコーステックピアノ。多くは弾かないものの、一つ一つ丁寧に導き出されるフレーズからは、ゆたかな情緒に溢れている。そこに、フィールドレコーディングスやシンセ/エフェクターによるFuturegrapherのアレンジが、聴き手に、心地よい余韻を与えています。
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2015-12-15 by
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