Kiri Ra!「Kiri Ra!」(OONA Recordings)

Kiri Ra!「Kiri Ra!」(OONA Recordings)
Kiri Ra!

異世界の風景を巡る直感的な音の旅

日本でも人気のある、北欧はフィンランドの音楽家Lau Nau(ラウ・ナウ)。ここ数年は、映画音楽関連の作品が多いので、以前の歌姫的な側面からではなくて、サウンドアーティスト的な印象が強くなっているのですが、個人的には、彼女が、Matti Byeと一緒に作品作りをするようになってから、実験的なサウンドの聴いててアクが強いな〜という部分が、とても洗練されてきてより実験性以外に映像的な深みが増している(その反面、疎遠になる人も多いかもしれないけど)印象を受ける。

ソロでの今のところの最新作「Poseidon」もそうだし、昨年、Time Released SoundからリリースされたLau NauとMatti Byeの連名作「Signals」、そして、Lotta Petronella 監督の映画『Själö – Island of Souls』のために制作されたインスト・サウンドトラック作品「Själö」も最高だった。なので、フィジカルでリリースされる作品は、できるだけチェックするようにしている。

そして最近フィンランド人サックス奏者Linda Fredriksson、そしてスウェーデン人ピアニスト/作曲家、Matti Byeが結成した即興ユニットKiri Ra!のデビューアルバムがOONA Recordingsよりリリースされた。この即興ユニットは、2016年に、スウェーデン映画協会のアーカイブにある実験的なアマチュア・ドキュメンタリー映画のための音楽を制作する依頼を受けてスタートしたプロジェクトでしたが、このデビューアルバムは、この映画のスコアを元に生まれた、スタジオでの即興ライブ録音で構成されている。

ピアノ、フィールドレコーディング、パーカッション、サックスなどの楽器による互いの即興演奏から繰り返されるものの、その音と音の間を行き来する響きはとても懐かしくもあり、心地よい孤独感を誘う。ポストクラシカル・アンビエント・フォーク、ミニマリズム、スピリチャル・ジャズ…言葉で簡潔に説明するばするほど、彼らの音楽はするりと言葉の隙間からすり抜けてゆく。きっと感覚に導かれるまま…だけでは、こんな音楽は生まれてはこないだろう。この作品からは、不思議な感覚を持つ、彼らの一段円熟した音楽家としての滋味が、サウンドから伝わってくる。直感的で、魅力的な調べは、彼らから音の旅への招待状なのかもしれない。

01. Kites over Gärdet
02. ))Glänta///
03. Natt
04. A’Delos
05. !Birchwood/(
06. Adventure in Väne-Ryr
07. Linnesöndagen Gynnas Icke
08. Nerför en Sandig Slänt
09. Mu!
10. Haplo’os
11. ((Pufzi///

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