Jonas Meyer「Konfusion」(Serein)
イギリスのレーベルSereinより、ドイツ人サウンドアーティストJonas Mayerのデビューアルバムがリリース。ポストクラシカル、エレクトリックジャズ、アンビエントなど、近年安定したクオリティーの作品をリリースしているSereinのリリースにあって、このJonas Mayerの作品は過去にリリースされた、どの作品にもない魅力を感じる。
大雑把にいうと、彼の音楽は、ピアノ、パーカッション、シンセなど多数の音源をトリートメントし、何層にも複雑に重ね合わせながらも洗練されたサウンドを聴かせてくれる。いわゆるクリック、カットの手法でデジタルの領域に大きく揺れることもあれば、処理がより穏やかな、デリケートで美しいハーモニーをちりばめたトラックを含め、実験的なアンビエント〜サウンドスケープから、パーカッシヴで、トライバルなサウンドも、境界線なく聴かせてくれる。
ちょうど、同じSereinから、John Hughesと、ラルトラのLindsay Andersonのプロジェクト、Hibernisの「Middle Of The Meds」がリリースされていますが、どこか共通する部分もあるんだけど、こちらの方は、微細な電子音、ノイズと、フィジカルな部分とを組み合わせながら、そのサウンドはすごくメディテーティヴで、ホント、ジャケットのアートワークのような針金アートを思わせる。
時折ノイズの渦に巻き込まれる展開もあり、部分部分で聴くと決して耳触りの良い音楽ではないかもしれませんが、そのエモーショナルな音の宇宙を感じてしまうと、不思議と身を委ねてしまうサウンドの美しさが見えてくる。
それにしてもこの作品のデジタルな音圧が妙に刺激的で良い。
01. Konfusion
02. Strömung
03. Uppehåll
04. Verflechtung
05. Zwischen
06. Sekundenschlaf