望月慎一郎「Trio2019」(Unknown Silence)

ショーロクラブの活動をメインに活動する、音楽家・沢田穣治による、まだ耳にしたことのない「音」を、日本から世界へ国境を越えて発信していくレーベル”アンノウン サイレンス”からリリースされた、沢田穣治が日本の逸材と評価してやまないピアニスト、望月慎一郎の作品「Trio2019」が素晴らしい。

ジャケットで使われている写真やフォントの入り方など、まるでECMの諸作品を思わせますが、そんな興味で、この作品に触れてももちろんOKだし、ミロスラフ・ヴィトウスや、福盛進也が参加しているということで耳にする人も多いかもしれない。ただひとたび、この作品を聴きすすめると、前情報などどこへやら、望月慎一郎の柔らかで繊細な感性とともに放たれる演奏からは、華やかな色彩がピアノから伝わり、伸びやかに舞い上がる、深く思索的な3者の演奏の時々に、胸のすくような心地よさを何度も感じた。ジャズのスタイルでありながらも、クラシカルな旋律も感じるピアノ。即興性と規律の柔軟性がこの作品を心地よくも刺激的な音世界を生み出している。

欧州ジャズに近い演奏スタイルを取り入れ、独自の方法論を研究しながら自作曲の創作活動続ける望月慎一郎。この作品でも、ビルエヴァンスの”Waltz for Debby”、福盛進也による”The Third Destination” 以外は彼のオリジナル曲である。恐ろしく巧みな演奏を繰り広げつつも優雅で、親しみやすいメロディーにうっとりしながらも、フリーからクラシカルまで多種多様であり、風景の移り変わりを思い起こさせるような起伏とともに、3者の卓越した技術に裏打ちされたクールな熱量がなんとも心地よい。

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