PASTEL RECORDS

「好奇心とやすらぎの音楽」というキーワードで、エレクトロニカ、フォーク、アコーステックを中心に世界のインディペンデント・ミュージックを紹介しております。

Quique Sinesi「Live in Tokyo – Pequenos mensajes sonoros Tour」(bar buenos aires)

   

「人生最高のツアーだった」の言葉に嘘偽りのないことを証明する、最高のメモリアル作品

個人的に、ライヴ・アルバムというと、好きな音楽家でも手をのばすのを躊躇ってしまう。やっぱり、その場に居合わせ、音楽家からの今起こっているライヴを録音したとしても、その瞬間に感じるものは殆ど感じられず、ただ記録作品に終わることのほうが多い。

現代アルゼンチンを代表するギター奏者/コンポーザー、キケ・シネシの日本でのライヴ作品も、実際に、彼の演奏を目の当たりに感じ、感動した感覚は、おそらくCD化された音源の感覚とはまた違ったものだろう…と推測する(実際に、彼のライヴを見て興奮気味にライヴでの感動体験ことを伝えてくれた人にこの音源をきかせたら、演奏は確かにそのものだけど、やっぱり生で体験する感動はすごかった…となってしまった)。

と前置きが、長くなってしまったけど、それでもこの作品、やっぱりファンはぜひとも手にするべき、素晴らし過ぎる演奏なのは間違いない。意図的にとは思うけど、曲間での観衆の拍手は、ラストの演奏が終わったあとのみ。多少、演奏中の観客側のノイズはあるけど、ライヴ・アルバムという形で提示するのではなく、この日の演奏こそが彼のこれまでリリースしたオリジナル作品と同じ価値を持っている、ということを示したかったのだろうか?と思ってしまうくらい、音の臨場感も素晴らしく、聞き手との距離感がものすごく近く感じられる。

キケ・シネシの息遣いや、ギターのボディーを叩く音、弦の擦れる音などが生々しく収録されていて、『小さな音のことづて』からの曲を中心に、過去の名曲/人気曲から本ツアーで初披露した新曲まで、プレイボタンを押すと、瞬く間に素晴らしい技術に裏打ちされた、演奏にただただ圧倒されてしまった。これは決してリラックスした演奏の、軽いくつろぎ音楽でもない。1音1音、一つ一つのフレーズが様々な情景を呼び起こし、特別な才能と感性、熱量が導き出す慈愛に満ちた調べに、ただただ心揺さぶられる。「人生最高のツアーだった」と語る本人の言葉に嘘偽りのないことが証明する、最高のメモリアル作品です。

 

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