「アルゼンチン音楽手帳」から巡るアルゼンチン音楽の世界【その1】~Juan Stewart

昨年
ついにアルゼンチン音楽の世界を
ガイドしてくれる
こんな1冊が欲しかった!な内容の本がでました。
栗本斉さん著の「アルゼンチン音楽手帳」です。
これは有り難いですよ。
※下記写真クリックすると購入ページ(DU BOOKSさん)に飛びます。

P1011448

アルゼンチン音響はという言葉を覚えたのは、
もうどれくらい前のことでしょうか?

タンゴのイメージしかなかった自分自身にとって
2000年にリリースされた、
Juana Molina(ファナ・モリーナ)の例の有名なジャケの「Segundo」が強烈だった。
エレクトロニカという言葉も新鮮な響きを持ってた頃だったんで、
伝統的な音楽と、エレクトロニカが交わった、
本当に音響派という言葉の似合う、
浮遊感は堪らなく魅力的でした。

そこから、数珠つなぎのように、
Fernando Kabusacki(フェルナンド・カブサッキ)
Alejandro Franov(アレハンドロ・フラノフ)
Mono Fontana(モノ・フォンタナ)
といったアルゼンチンの
音楽家が日本にも紹介され、
日本人アーティストとの共演でも話題になりましたが、
いつしかフェードアウト気味な感じも…。

そこに再びスポットライトを当てたのが、
個人的には、Carlos Aguirre(カルロス・アギーレ)という存在。
ここ数年、彼の名前を見かけることが多かったのではないでしょうか?

彼のレーベル、シャグラダ・メドラからのリリース作も、
本当にジャンルの壁を感じない、素晴らしいものばかりで、
アルゼンチン・フォルクローレ独特の美しさ、
叙情性が見事に洗練された演奏とともに聴くことができ、
一気にアルゼンチン音楽への、
興味の入口が広がるきっかけを作ってくれたように思います。
いつしかアルゼンチン音響派から、
モダン・フォルクローレといった言葉も使われるようになりました。

あまり、ガイドもない状況ながら、
昨今のネットワークの発達で、
何年か前までだったら、
絶対に繋がらないようなアーティストが
どんどん出てきて、
月並みな言い方ですが、
“やっぱり世界は広いな~”と。
それにしても「アルゼンチン音楽手帳」を眺めてると、
やっぱりまとめてくれると本当に有り難い。
きっと入口がわからないままスルーしてきた人も
タンゴのイメージしか湧かなかったひとも、
ここで紹介している作品を聴いてみたくなるはず。

さて、
ここでお薦めのアーティストを一人ご紹介します。
その名は、Juan Stewart

a0001854376_10

見知らぬ世界の音楽をより楽しむために…
いろんなコツがあるんですが、
たとえばレーベル買いというのもあるでしょう。
ジャケット買いもあるかもしれません。

僕の場合は、
そのシーンで活躍している裏方さんや、
キーパーソンを追っていく方が、
“当たり”が多いかと思っています。

Juan Stewartも、
日本ではあまり紹介されてはいない人物ですが、
アルゼンチンアーティストの作品で、
彼の名前がクレジットされている作品は実に多い。

なんか芋のつるを引っ張ったら、
めちゃくちゃたくさん芋が付いて来ちゃったような…。
Coiffeur
Ignacio Herbojo
Jaime Sin Tierra
Bauer
Voltura
El Robot Bajo El Agua
Hernán Martinez
Pablo Grinjot
Alvy Singer
Poseidótica
Blanco y Sonoman
…etc
今まさにブエノスアイレスで現在進行形の
アーティスト&バンドばかり。
「Estudio El Arbol」というスタジオも運営しているみたいで、
エンジニア/プロデューサーとしても
かなり名の知られた存在みたいです。

ちなみに前述の、
「アルゼンチン音楽手帳」にもきっちり紹介されてます。

P1011449

今のところ彼は5枚アルバムをリリースしています。
ここ最近はアルバム出してないですね。

3 (2002)
El silencio de las cosas (2005)
Oui (2007)
Los días (2008)
Juan Stewart (2012)

「3」は未聴、「Oui」も
サウンドクラウドに上がっている1曲だけしか
聴いてないのですがなんですが、

それ以外の作品を聴いたのですが、どれも素晴らしい。
アンビエント寄りのポスト・ロック作なんですが、
ポストロックというイメージよりはもう少しソフトな
エレクトロアコーステック作で、
彼の音楽に流れる、
美しくもほろっとするメロディーは、
もっと知られても良いんじゃないの?
と思えるものばかり。

おそらく日本のラテン音楽を専門に扱うショップだと、
エレクトロニカはあまり扱わないし、
かといってその手の音楽を扱うところは、
アルゼンチンの音楽には正直疎いし、また流通も悪いですしね。
今のところ、彼の作品を入手するのは困難なんで、
どこか国内リリースしないかなぁ~。

Estamos Felicesというレーベルも気になるし、
Estudio El Arbolスタジオとの関連も調べたら、
面白そう。
なんかニルス・フラームのDurton Studioとか
ポートランドのType Foundryのような、
コミュニティーになっているのかも。

せめて英語で紹介してくれれば
もう少し解りやすく紹介できるんでしょうけど。

 

 

 

2014-01-25 | Posted in 特集, 音楽レビューComments Closed 

関連記事