Kidkanevil「My Little Ghost」~Kidkanevilが描く、ゴーストチャイルドに映る東京

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text : Kenji Terada (PASTEL RECORDS)

イギリス・ヨークシャーのプロデューサーKidkanevilの作品が出て少し経つのですが、ようやくじっくり聴きこむことができた。Gerard Robertsのプロジェクト、Kidkanevilは、First Wordよりこれまで、3枚の作品をリリースし、TOKiMONSTA、Michael Fakesch、Bugら参加のリミックス集を2枚、そしてDaisuke Tanabeとのプロジェクト『Kidsuke』などリリースしているが、それ以外にもDJシャドウの『ジ・アウトサイダー』にも参加していたChris Jamesらのバンドで!K7やNinja Tuneから作品をリリースしているStatelessのメンバーでもある。

『My Little Ghost』は、4年ぶりとなるニューアルバムで、レーベルサイトからによると、地下世界からやってきたゴーストチャイルドの東京での冒険を描いた、架空のアニメのサウンドトラックを模した作品ということ。実際に、本人が東京に滞在、Cokiyu、Cuusheのflauレーベル在籍アーティストに、NOEL-KITとのユニット、ふんわりちゃんでも活動しているPhasma、疋田哲也といった日本人アーティストとのセッションや、StatelessのメンバーChris James、Submerse、Lullatoneらがゲスト参加したトラックが収められている。

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リリース前のイメージではなかなか積極的に聴く意欲はわかなかったんですが、いざ聴いてみると、意外と、と言っては失礼なんですが、トラックメイキングの巧みさと、前作というよりは、『Kidsuke』に近いドリーミーな世界をよりオーガニックな質感にしたような、単調にならない華麗なセンスの良さにグイグイ聴き惚れてしまう。

正直なところ 3曲目の”Inakunaru”だけはどうしても飛ばしてしまうけど(声だけのせいじゃなくって、単純にメロディーに対し言葉が合わせに行ってるのが個人的に聴いてて違和感があるのかな?例えば、海外のアーティストが日本盤のボーナストラックに日本語で歌ってるのがありますが、ああいうのを聴いたときと似ているかな…。)、それでもKidkanevilの評価にはさほど影響はない。

ポップな電子音や、グリッヂを巧みに使った切れのあるビート、そしてドリーミーさを演出する、浮遊感あるアレンジの隅々に、ヒップホップ、ジャズ、クラシカル、アンビエント、エクスペリメンタルその他もろもろの幅広い音楽のエッセンスが見え隠れしながらも、メロディアスで、ポップなエレクトロニカサウンドにまとめ上げ、実にテンポよく進行する作品展開は聴く者を飽きさせない。

個人的にうれしかったのが、Cuushe & Submerseが参加した”Butterfly/Satellite”が本当に素敵でカッコよかったこと。僕は、Cuushe、もっと伸びると思うんですよね。この曲での歌いっぷりとかもう堂々としてて今後に期待…したくなります。

■ アーティスト:Kidkanevil
■ タイトル:My Little Ghost
■ フォーマット:CD
■ レーベル:flau
■ 品番:FLAU40 / PMC130
■ ジャンル:エレクトロニカ
■ リリース年:2012年

<収録曲>
01. All Is Lost
02. Earth To G San (feat Tetsuya Hikita)
03. Inakunaru (feat Phasma)
04. Escape Pod
05. Dimension Bomb
06. Butterfly/Satellite (feat Cuushe & Submerse)
07. Ohayo
08. Oyasumi
09. OG San
10. Shunkanido
11. Tomie (feat Cokiyu)
12. Keroro Dub
13. All Is Not Lost (feat Cuushe & Cokiyu)
14. Tales Of Moonlight And Rain (CD Bonus)

2014-06-02 | Posted in 音楽レビューComments Closed 

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