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Antti Tolvi『Pianoketo』(Fonal)

Antti Tolviのこれまでの人生の息遣いを重ね合わせたかのようなサイケデリックなノスタルジア。

フィンランドのエクスペリメンタル・ミュージシャンで、Lau Nau、Rauhan Orkesteri、Lauhkeat Lampaatを含む多くのバンドで演奏している多才な音楽家、Antti Tolviのピアノアンビエント作(2013年作)。


この作品では、クラシック、アヴァンギャルド、即興、サイケ、フリージャズ、インドの音楽などAntti Tolviに影響を与えた音楽的要素が、3つの拡張された瞑想の調べとなりとなり、それらは全て彼のソロピアノで演奏されています。Antti Tolviは、アンダーグラウンド、即興、アヴァンギャルドなイメージがあったのですが、このピアノだけで作られた作品からは、ピアノの響きを通じて、Antti Tolviの多様な音楽性が、豊かなピアノアンビエンスとともに、優しく響きわたる美しい作品となっているのです。

この作品で使われている、ピアノは、Antti Tolviのおばあさんの家にある、40年間も使われていなかったものだそう。そのピアノを赴くまま弾き、音色やハーモニーがぎこちなく溢れる調べが、やがて織り重なり合いながらきらびやかな音響空間を生み出してゆく。忘れられていたピアノに、Antti Tolviのこれまでの人生の息遣いを重ね合わせたかのようなサイケデリックなノスタルジア。ジャケットは奇妙ですが、とても美しいピアノアンビエンスです。

A1. Pianoketo 1
B1. Pianoketo 2
C1. Pianoketo 3a
D1. Pianoketo 3b

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