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【Waves & ResonanceVol.7】Kira Kira Japan Tour in Nara

今回4度目の来日にして初の単独ツアーとなる、アイスランドのクリスティン・ビョルク・クリスチャンスドッティルこと、kira kira(キラ・キラ)。彼女のことを良くご存知の方はもう説明不要なんですが、アーティストとしての顔以外に、Kitchen Motors(キッチン・モータース)という、アイスランドの音楽シーンを語る上で絶対に外せない、音楽レーベル/アーティストの共同体を取りまとめていた人物の一人として知られています。

ちなみにこのキッチン・モータース、他にアイスランド出身の作曲家、Jóhann Jóhannsson(ヨハン・ヨハンソン)、そしてジャズ畑のギター奏者で、ジム・ブラック(奈良美智が、ジャケットワークを手がけたことでも知られるニューヨークのジャズ・ドラマー)のグループ、Alasnoaxisのメンバーでもある、Hilmar Jensson(ヒルマル・イェンソン)とともに、1999年、イベントとしてスタートしています。

彼らのイベントには、ムーム、シガー・ロスのメンバーも出演していたり、アイスランドの音楽性の豊かさを象徴するかのような、多種多様なアーティストがたくさん関わっていて、アーティスト同士のコミュニティーの強さ、運営に関わっているメンバー同士の信頼関係の厚さなんかが、アイスランドの音楽文化を独自なものにしているんだなと感じることも。そのイベントの音源なんかをリリースしながら、Slowblowが手がけるサウンドトラック『氷の国のノイ/Noi Albinoi』をリリースしたり、また日本でも、2006年に「Kitchen Motors Family Album」というタイトルでコンピレーション盤がリリースされ、Benni Hemm Hemm、Amina、Paul Lydon、Apparat Organ Quartetなどなど今ではアイスランドシーンを知る上で欠かすことのできないアーティストを知るきっかけを与えてくれたのもこのレーベルでした。またこのコンピがリリースされたこの年には、渋谷O-West(現TSUTAYA O-WEST)で大々的なイベントも行われています(キラ・キラも出演)。

さて、本題のキラ・キラですが、作品としては、2005年に「Skotta」をリリース。ちょっと横道にそれるけど、キラ・キラという活動名は、実は1999年頃に日本で滞在していた時に見た悪夢が基になっているのだとか。キラ・キラというとちょっと可愛い印象だし、この時期、北欧のエレクトロニカというだけで、興味を持つ人が多く、この作品のアートワークも含め手にした方も多いかと思うのですが、彼女の音楽は、名前のエピソードが今となってはなるほど、と思える、トイ楽器とエレクトロニクス、そして彼女の歌で表現された、キュートさとダークさが混在した妖艶な世界を聴かせてくれています。

そして2008年には彼女の代表作となる「Our Map to The Monster Olympics」をリリース。ファーストに比べると、生楽器が増え、Alex SomersやMum、Benni Hemm Hemmのメンバー、そしてヒルマル・イェンソンなど、Kitchen Motors人脈が多く関わった、初期Mumを彷彿とさせる歌モノ・エレクトロ作に。涼しげでかわいらしい音と牧歌的なムードが一体となったドリーミーさと、懐かしい郷愁が絶妙な塩梅で聴かせてくれる、彼女の作品の中で一番聴きやすい名作なので、初めての方はこの作品から入っていただくと良いかと思います。

そして2012年にリリースされた「Feathermagnetik」が彼女のアルバム作としては最新作となります。ちょうど前作でもBen Frostが参加していて、彼の主な所属先レーベルであるアイスランドの、Bedroom Community周辺を含めた、エクスペリメンタル〜モダン・クラシカル路線と呼応した内容になっています。参加メンバーがまた豪華で、前作でのAlex Somersに加え、Dustin O’HalloranNils Frahm、そしてクレジットにはないのですが、Bedroom Communityのオーナーでもある、Valgeir Sigurdssonという、モダンクラシカルシーンでは重要人物とされる面々が集うところは、さすがだなぁ〜と、唸ったものです。アルバムは、コントラバス、トランペットを含めたオーケストレーションを用い、静かなる混沌をアルバム全体で見事に表した、重層的で荘厳な氷の国のシンフォニーが堪能できる充実した内容となっています。この作品も外せませんね。

と、ざっくり彼女のオリジナルアルバムを辿ってきましたが、最近は、ニンジャチューンからリリースしている、Eskmoと、スプリット・シングル作「The Echo Society」を出していて、そこでもオーケストラと一緒にライヴレコーディングされた”Call It Mystery”という曲を発表しています。

過去2006年、2008年、2012年とわりとコンスタントな間隔で来日してくれてはいるんですが、冒頭でも申し上げた通り、単独でのツアーは今回が初!しかも大所帯ではなく彼女一人でのパフォーマンスとなります。いったいどんなライヴパフォーマンスになるか?いまからとても楽しみです!関西は、奈良公演のみとなりますよ!共演は1月に初のフルアルバムをflauから予定している、加藤りまさん。アルバム「faintly lit」も素晴らしい内容でしたので彼女の歌と演奏にもぜひご注目頂きたいです。

※追加情報:ASUNA出演が決まりました!

イベント情報 (予約受付終了いたしました。)

【Waves & ResonanceVol.7】Kira Kira Japan Tour in Nara

日時:2015年2月22日(日)
open/start 17:00/ 18:00
adv./door 2,500 / 3,000yen
※料金にはドリンク代は含まれておりません。
出演:Kira Kira / 加藤りま/ASUNA
出店:PASTEL RECORDS / IJIRI COFFEE
会場:日+月+星
〒630-8112奈良市多門町35-2
TEL/0742-81-8261
http://sun-moon-star.jp/
※「日+月+星」へのお問い合わせはご遠慮下さい。
キャンセルの際は必ず予約先にご連絡下さい。ご入場頂けない方を少しでも減らすため、ご協力をお願いいたします。

奈良公演 主催:pastel records + sukima industries
ツアー企画:flau
お問い合わせ先:info(at)pastelrecords.com ※(at)を@に変えて送信して下さい

ご確認ください!
「日+月+星」にはお客様用の駐車場は御座いません。近隣は住宅街となっております。どうか路駐だけはなさらないようお願い申し上げます。公共機関を使用してのご来場、もしくは、近くのコインパーキングをご利用下さい。
(転害門辺りに、WEB検索で出てこない駐車場がいくつかございます)

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出演者
Kira Kira

Kira KiraはJóhann Jóhannssonらと共にレーベル/コレクティブKitchen Motorsの創始者として、長きに渡ってアイスランドの音楽シーンの中心人物として活動している女性アーティスト。実験音楽とビジュアルアートの幅広いバックグラウンドを持ち、シンガー、作曲家、映像作家として様々な顔を持つ。Sigur Rósやmúmなど世界的に活躍するアーティストを早くからサポートし、抜群の愛らしさと創造性溢れるキャラクターで多くのミュージシャンから支持を集めている。2005年に母国の冷たい大地を思わせる冷涼なアンビエントと随所に毒気も織り交ぜられたエレクトロニカ作「skotta」をリリース、2008年にはOvertureのアートワークが印象的なセカンドアルバム「Our Maps To The Monster Olympics」を発表、ここ日本でもAfterhoursからラインセンス・リリースされ、オーガニックな質感とKira Kira流のポップネスが炸裂した本作で一躍評価を高めた。近年はベルリンのポスト・クラシカル・シーンとも交流を深め、morr musicからリリースされたサードアルバム「Feathermagnetik」(2012)にはNils Frahm、Ben Frost、Dustin O’Halloran、Valgeir Sigurðssonらが参加、コントラバスやトランペットなどを大胆にフィーチャーし、アブストラクトなチェンバーサウンドを展開している。最新作はNinja Tuneの人気プロデューサーEskmoとのスプリットシングル。

 
加藤りま

1996年ネオアコ2人組バンド、ストロオズを結成し音楽活動を始める。自主レーベルから2本のカセットテープ作品をリリース。99年ミディ・クリエイティブからCDデビュー。
解散後のブランクを経て、2009年ソロでのライブ活動を始める。金沢在住のアーティストASUNA主宰のカセット・テープ・ レーベルWFTTapesから2本の作品をリリース。同氏による3インチCDレーベルaotoaoから2012年にミニアルバム 『Harmless』をリリース。現在も継続的にライブ活動を行う。実兄とのユニットFamily Basikのファーストアルバムをリリースしたばかり。2015年1月、加藤りまとしての最初のフルアルバムとなる「faintly lit」をflauよりリリース予定。これまでにSharon Van Etten、Julie Doiron、Lake、Mount Eerie、Pascal Pinon、Rachael Daddらと共演。

 
ASUNA

10代の頃からLOS APSON?やKurara Audio Artsといった名物レコード・ショップにおいて話題を集め、2003年にスペインのLucky Kitchenよりアルバム『Organ Leaf』を発表。同時に、語源から省みる事物の概念とその再考察をテーマとして「Organ」の語源からその原義を省みた「機関・器官」としてのオルガンを扱ったインスタレーション作品『Each Organ』を発表。以降、アメリカ、イタリア、イギリス、日本など国内外問わず多数のレーベルより作品を発表。プリペアドされたリードオルガンとエレクトロニクスによるドローンを主体としつつ、ギターやクラリネット、チェロ等の様々な生楽器と電子音響が絡み合った作曲作品から大量の玩具楽器やサンプラーを使った牧歌的な宅録作品まで、多様かつ両極端とも言えるスタイルをテーマごとの手法を緻密に練り上げることによって、様々な仕掛けとともに不断に展開し聴くもの意識に働きかける作品として一貫した特徴を持つ。近年の活動では、美術作家であり元WrKの佐藤実-m/s、鳥取出身の電子音楽家のshibataらとの共作によるアルバムを多数発表。さらに、minamoの安永哲郎、The Medium Necksの飛田左起代、Irving Krow Trio、Hochenkeitのジェフ・フッチィロとジェイソン・ファンクとともに結成したアヴァン・ロック・バンドのHELLLとして2015年初頭にアルバムを発表したばかり。昨年末にはベルギーのMeeuw Muzakより『100 Keyboards』を発表し、一ヶ月以上にも及ぶヨーロッパ・ツアーを成功におさめるなど海外での演奏活動も盛んに行っている。これまでに”transmediale”、”Happy New Ears”、”International Festival of Computer Arts”など国際的フェスティヴァルにも多数出演。並行して、カシオトーン・コンピレーション・シリーズや加藤りま、The Medium Necksの単独作などをリリースする 3 inchミニCD専門レーベルaotoao、ならびにカセット・テープ専門レーベルWFTTapesを運営している。
https://sites.google.com/site/aotoao3inch/
http://d.hatena.ne.jp/wftt/

 

出店者情報
IJIRI COFFEE

【珈琲と日々の生活】
IJIRI COFFEEは店舗を持たない旅する珈琲屋です。
依頼があればイベントの規模はこだわらず色々な時間、色々な場所、どんなスペースでも珈琲を淹れています。
美味しい珈琲っていうのは、きっと珈琲だけこだわっても完成しないと思ってます。
そこに流れる時間や空間。音楽や服や器。そして人。
珈琲を待つ為に立ち止まった数分間。その時に見た景色や感じた感覚がその人の次のこだわりに繋がりますように。。
https://www.facebook.com/ijiricoffee

PASTEL RECORDS:
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