PASTEL RECORDS

「好奇心とやすらぎの音楽」というキーワードで、エレクトロニカ、フォーク、アコーステックを中心に世界のインディペンデント・ミュージックを紹介しております。

Stefano Guzzetti「Leaf」〜華麗でもなく、優美さとも違う、ただただ真摯に自身と向き合う、穏やかでぬくもりのあるメロディー

   

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背後に虫か動物かの鳴き声が聞こえる。そして何か意を決したかのように、Stefano Guzzettiのピアノが始まる。それは華麗でもなく、優美さでもなく、ただただ何かを刻み込むような、淡々としながらも、どこか或る日を慈しむような、そんな佇まい…。

イタリア・サルデーニャ島の作曲家/ピアニスト、Stefano Guzzetti(ステファノ・グッツェッテイ)。彼は、2012年にアイルランドのPsychonavigationより、Waves on Canvasという名義で『Into the Northsea』という作品をリリースしているのが本格的なデビュー作です。Waves on Canvasは、現在のポストクラシカルなスタイルとは違った、エレクトロニカ作品なんですが、この作品の1、2曲目だけ、今に通じるピアノをメインとしたインストゥルメンタル曲が入っていて、ステファノ・グッツェッテイのピアノスタイルはこの時点で結構固まっているんだなと感じます。

その後、2014年にHome Normalより、家で録りためたソロ・ピアノ曲を集めた作品『At Home – Piano Book (Volume One)』をリリース。また、2015年には、自身のレーベルStella Recordingsを立ち上げ、ライヴレコーディング作品「Ensemble」と積極的なリリースを重ねています。いずれの作品も即完売に近い人気で、今、密かに期待されている旬な音楽家の一人でもあります。ちなみに個人的に大好きな、Ian M HazeldineによるプロジェクトAntonymesの今年4月に発売されるニュー・アルバム「(for now we see)theough a glass dimly」のクレジットに、彼の名前があってこれまた密かに期待しているところなのです。

そして最新作「Leaf」を発表。ある一定の期間、コンスタントにリリースを重ねる人には、何か勢い以外の確かな成熟度と説得力を作品から感じますが、ステファノ・グッツェッテイもまさにそんな魅力が「Leaf」から伝わってきます。ライヴレコーディング作「Ensemble」に続き、ヴァイオリンのSimone Soro、チェロのGianluca Pischedda、そこに、ヴィオラのFrancesco Piliaと、リーダー作もリリースしているダブルベースのSebastiano Dessanay、そしてクラリネットでLorenzo Baldoniが参加。Sebastiano Dessanay以外のメンバーは、Nils Frahmの「Screws Reworked」のレコーディングにもかかわっています。

ライヴ録音の前作とはまた違った、スタジオ録音による弦楽器やクラリネットによるアンサンブルや、ステファノ・グッツェッテイによる フィールドレコーディング、わずかなエフェクトを用い、淡い間に包まれる繊細な心模様を引き出している。この作品の楽曲は、ステファノ・グッツェッテイの父が突然パーキンソン病にかかったことをきっかけに書かれ、だれしもの生活でもっとも身近にみられる「葉」にインスパイアされ作られたものだそう。”遠くからみればちいさな緑のかけらにすぎない葉は、長い長い人生におけるただの1日のようなもの。しかし、ひとたび近づいて注意を払いさえすれば、複雑な内なる構造をもったより広い世界が目に飛び込んでくる。自然の計略には決してかなわない。わたしたち人間は結局は葉のように繊細でちっぽけなものだということ・・・。”(インパートメントHPより引用)

それは何かを諦めるという観念のようにも捉えられるかもしれないし、逆にステファノ・グッツェッテイの持つ繊細な機微を感じ取り、自然を偽らず、寄り添うことで、生かされている自身がある、ということをどこか感謝の念を持ってメロディーにしたためているようにも感じます。ただ、それを高らかに表現するようなピアノを彼は弾くことなく、ただ、ゆっくりと鍵盤に思いを刻んでいる。そのスタイルはどこか彼の不器用なあたたかさ(もちろん技術がないというわけでは決してない)をより感じてしまう。その反面、周りの楽器が、ステファノ・グッツェッテイの感情をそっと代弁するように優しく包み込むようにも聴こえる。その旋律は、メランコリックでありながらも重苦しさは感じず、ぬくもりのある、とても居心地の良いものなのです。

ちなみに、今回、印象的なイラストレーションによるミュージックビデオが作られています。担当しているのが、Gianluca Marjani Marrasという人。ちょっと調べてみると、2015年に、イタリア人シンガーソングライターのMatteo Sauの「Qualche giorno dopo la luna」というミュージックビデオを作っています。で、この作品で、プロデュース、アレンジを担当しているのが、Stefano Guzzettiなんですね。

■Track List

01. Womb
02. While You Sleep
03. All Our Days
04. Psalm in A minor
05. Mother
06. Shoreline
07. Feather
08. Waiting
09. Quiet Fracture
10. Sospesa
11. Saliva
12. Silently Leaving
13. To the End

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2016-01-23 12.19.26








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