Marcus Fischerがフィリピン台風災害支援チャリティ作品をリリース。

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Marcus Fischer+ the OO-Ray : Tulong
2012年10月に行われた12kジャパンツアーでも来日している、米ポートランド在住のサウンドアーティスト、Marcus Fischer。フィールドレコーディングス、テープループ、アコースティック機材などを織り交ぜた、彼の生み出すサウンドは、デジタルだけど、どこか暖かみを持った淡く美しいアンビエントで、12k、Tench、Optic Echo Recordsを始め、自主リリースも含め意外と多くの作品をリリースしています。

先月1月にリリースされた、この2曲入EP「Tulong」は、昨年まだまだ記憶に新しい、11月8日に台風30号で被災したフィリピンを支援する目的でリリースされたものです。共演/共作のthe OO-Rayは、ポートランドのチェリスト、Ted Laderasの活動名で、Marcus Fischerとも、2012年に「Tessellations」という作品をリリースしています。

“Tulong”という言葉は、フィリピンの標準語でもあるタガログ語で、“助けて”という意味。台風の被害が起こった頃は、連日ニュースにもなっていましたが、今現在、日本のメディアには一切、フィリピンの現状は伝わってきません。だからメディアはダメなんだ!というつもりは全くないし、実際自分は、何ができるのか?と自身に問いても正直きちんと返答はできません。

この作品のジャケットは、クレジットをみると、Marcus Fischerがフィリピンで撮影されたものを加工したような感じなんですが、本当に美しく穏やかで幻想的な風景を切り取ったような、作品の背景を知らなければ、うっとりするようなものなんですが、2人の奏でるサウンドスケープを聴いていると、前述のもやもや感が、徐々にほぐれていくような気持ちになってくる。the OO-Rayのまるで鎮魂のようなチェロの響き、そしてそれを淡く包み込むMarcus Fischerの生み出すサウンドスケープが、穏やかな海を映し出しているような幽玄のひと時を生み出しています。

売り上げのすべては、Humanitarian Response Philippinesに寄贈されるみたいです。彼の音楽に興味ある方、ぜひストリーミングではなく、ダウンロード購入してお聴きください。

http://marcus-fischer.bandcamp.com/

2014年02月26日 | Posted in NEWS, 音楽レビュー | | Comments Closed 

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